High Sierraゲストに対する互換性改善も
Parallels International GmbHより米国時間2018年7月13日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop Lite」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop Lite 1.3.3 Build 19752」がリリースされ、現在Mac App Storeを通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(app 約234.5MB)。
Ver. 1を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、及びバグフィックス等が行われており、前版(「1.3.0 Build 19714」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- テクニカルデータレポートに対して、スクリーンショット、及びその他のファイルを添付可能に
- MacBookのLidを閉開した後に、仮想マシンにおいてサウンドが再生されなかった問題を修正
- セッティングエディタにおける「Options(オプション)」>「Startup and Shutdown(スタートアップとシャットダウン)」>「Always ready in background(常にバックグラウンドで待機)」オプションが有効化された状態で仮想マシンを起動した場合に、スクリーンリフレッシュレートが低くなっていた問題を修正
- 仮想マシンにおいて、一部のシンボル(~/§±£`ذ)を適切に入力する事ができなかった問題を修正
- Windows Update / Microsoft Updateをインストールした後に発生し得た、不均衡な程度のWindowsでの問題を解決
- フルスクリーンモードにおけるWindowsによって、ガンマ設定が変更されるケースが確認されていた問題を修正
- 「command」キーを推したまま「C」キーを押下した後に、「Windows 10(ゲストOS)」においてグレイスケールモードが意図せずアクティブになり得た問題を修正
- Windows(ゲストOS)において、偶発的に発生し得た幾つかの問題を修正(ログインプロセスの低速化、「Start(スタート)」メニューが無反応となる、幾つかのアプリケーションでキーボードを使用する事ができなくなる)
- Windowsサポートの改善。Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10」がインストールされたBoot Camp仮想マシンに、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」をインストールする事ができないケースが確認されていた問題を修正
- Windows(ゲストOS)と共有されているiCloudにおいて、アプリケーション関連フォルダが表示されないケースが確認されていた問題を修正
- 「Microsoft Visual Studio 2013」から起動したアプリケーションのアイコンが、macOS(ホストOS)のDockに表示されなかった問題を修正
- 「Microsoft Word 2011 for Mac」で、doc/docxファイルを Cドライブにリードオンリーモードで保存していた問題を修正
- 仮想マシンに対して、セカンドディスクとしてBoot Campパーティションを追加する事ができなかった問題を修正
- Windows(ゲストOS)から共有フォルダにアクセスした場合に、同OSが稀にフリーズするケースが確認されていた問題を修正
- Google ChromeからGoogle Mapsを特定の住所を検索した場合に、「Windows 10(ゲストOS)」がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- Visual Studioにおいて「TwinCAT 3」を起動した場合に、Windows(ゲストOS)」がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- 「Skype for Business(旧称 Lync)」において、共有カメラが動作しないケースが確認されていた問題を修正
- 「BF3(Battlefield3、バトルフィールド3)」において発生し得た、グラフィックスアーチファクトを修正
- 「Tekla Structures」においてイメージをズームした場合に発生し得た、グラフィックスアーチファクトを修正
- 「PaintShop Pro」でイメージを開く事ができなくなり、且つ「Open With」メニューを使用する事ができなくなっていた問題を修正
- サポート対象オペレーティングシステムの追加。新たに「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver)」をゲストOSとしてサポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴う ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が同梱され、「Linux Express Install(Linux簡易インストール)」Coherence(コヒーレンス)モード等の諸機能が利用可能
- 「Ubuntu 14.04 LTS(Trusty Tahr、ゲストOS)」にParallels Toolsをインストールした後に、同OSを起動する事ができなくなっていた問題を修正
- 「Linux Kernel 4.15」に向けて、prl_eth driverドライバをコンパイルする事ができなかった問題を修正
- 「Kali Linux 2018.1」「RHEL 7.5(Red Hat Enterprise Linux 7.5)」において、Parallels Toolsをインストールする事ができなかった問題を修正
- macOSサポートの改善。Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「OS X Mavericks(OS X 10.9)」、「OS X Mountain Lion(OS X 10.8)」(何れもゲストOS)において、iTunesが予期せず終了するケースが確認されていた問題を修正
- 「macOS High Sierra 10.13.3(ゲストOS)」に、Parallels Toolsをインストールする事ができなかった問題を修正
- スリープから復帰した後に、「macOS High Sierra 10.13.4(ゲストOS)」がフリーズしていた問題を修正
- ゲストOSの「macOS 10.13.3」を「macOS 10.13.4」へとアップデートする事ができなかった問題を修正
- 「macOS High Sierra 10.13(ゲストOS)」において、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が適切に動作しないケースが確認されていた問題を修正
※当版における変更点の幾つかは、米国時間2018年2月20日付にてリリースされた「Parallels Desktop 13 for Mac 13.3.0 Build 43321」、同5月23日付にてリリースされた「Parallels Desktop 13 for Mac 13.3.1 Build 43365」における改善が適用された形となっています。また、「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」を通じて入手可能な「Ubuntu」の仮想アプライアンスは、現時点(当エントリ投稿時点)において「Ubuntu 16.04 LTS(Xenial Xerus)」に据え置かれています。
「OS X Yosemite(OS X 10.10)」より実装された、Appleによる「hypervisor.framework」をコアとし、OS Xのサンドボックス内で動作する「Parallels Desktop Lite」は、macOS(Mac OS X)、各種Linuxディストリビューション、及びクラウドライブラリからダウンロード可能な仮想アプラインスをゲストOSとしてインストール実行可能となっています。また、アプリ内課金によるアップグレードにて、「Windows XP」〜「Windows 10」のインストール実行にも対応します。
一方で Business、Pro、Standard各エディションから制限された機能が幾つか存在し、その中には「Coherence(コヒーレンス)」モード、Boot Camp起動、ドライバレスプリンティング(プリンタ共有)、ブリッジネットワーク等が含まれています(ブリッジネットワークは、サンドボックスモデルによる制限から実装する事が叶いません)。
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「OS X El Capitan(OS X 10.11)」以降(「macOS High Sierra 10.13」を含む)となっています(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「10.7 Lion」〜「10.13 High Sierra」となります)。