「VMware Fusion Pro」のリンククローン

レプリカ(マスターイメージ)から、差分情報のみの仮想マシンを派生

macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」では、米国時間2012年8月23日付にてリリースされたVer. 5.0より Professional版が用意されています。同版には通常版におけるフル機能の他に、仮想ネットワークエディタ(ネットワーク構成ツール)の実装や、プライベートクラウドプラットフォーム「VMware vSphere」との連携、仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」のサポート等、幾つかの管理機能、サポートサービス等が追加されています。

その中でも今回は、マスターイメージをベースに、差分情報のみを展開可能とする リンククローン機能の概要等を簡単に纏めてみたいと思います。

リンククローンは、テンプレートとなるレプリカ(マスターイメージ(参照元)となるOS等の共通部分)から、差分情報のみの仮想マシンを派生させる事となるので、共通部分の容量は重複しません。従って、個々のクローンが消費するディスク容量の低減に貢献します。

また、新規に展開する場合には 任意のスナップショットのノードをレプリカとしてリンクする事となり、作成する時の基本的な手順は以下の通りとなります。

  1. 任意の仮想マシンを選択した状態で、「Virtual Machine(仮想マシン)」>「Create Linked Clone…(リンククローンを作成…)」を選択するか、或いは当該マシンのコンテキストメニューから同項目を選択。この場合には、当該時点のスナップショットが新たに作成され、このノードをベースとしたクローンイメージが作成されます(既存のスナップショットノードのコンテキストメニューから同じ項目を選択し、作成する事も可能)
    仮想マシンからリンククローンを作成
    ↑仮想マシンのコンテキストメニューからリンククローンを作成
  2. 保存ダイアログが表示されるので、任意の名称を設定(デフォルトは「Linked Clone of VMname」)
    リンククローンの保存ダイアログ
    ↑リンククローンの保存ダイアログ。任意の名称を設定して保存

リンククローンの作成後、レプリカに相当するノードには専用のアイコンが付され、起点を視覚的に明示しています。

スナップショットマネージャのリンククローン
↑リンククローン作成後のスナップショットマネージャの表示。レプリカに相当するノードには専用のアイコンが付される

ゲストOSに対するその後の変更(各種のアップデート等)は、差分情報として以降のリンククローンに保存される事となります(リンククローンには、差分情報のみが保存される事となります)。

「Ubuntu 18.04」のリンククローン
↑「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver)」のリンククローン。「VMware Fusion 10.1.2 Build 8502123」on「macOS High Sierra 10.13.4(ホストOS)」