VMware by Broadcomより米国時間2025年3月4日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 13.6.3 Pro Build 24585314(VMware Fusion 13 Update 6 Hotfix 3)」がリリースされ、VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「VMware Fusion」>「Check for Updates…(更新の確認…)」)を通じて、日本語含む13言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(x86-64、ARM64両アーキテクチャーにおいてネイティブ実行可能な「Universal 2 Binary」としてビルドされています)。
Table of Contents
「CVSS v3.0」のスコア値は「9.3」
「VMware Fusion 13.6」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている「VMware Fusion 13.6.3」では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「VMware Fusion 13.6.2」からは、HGFS(Host Guest File System)におけるアウトオブバンド(範囲外)の読み込みに起因して発生し得た情報漏洩の脆弱性が修正されています(仮想マシンへの管理者権限を有する悪質な攻撃者がこの問題を悪用した場合に、仮想マシンプロセス(vmware-vmx)からメモリーの内容が漏洩される危険性があったと伝えられています)。
この脆弱性に対しては、The Common Vulnerabilities and Exposures project(cve.mitre.org)からは「CVE-2025-22226」、VMwareセキュリティアドバイザリーからは「VMSA-2025-0004(Critical)」の共通脆弱性識別子が各々割り当てられている他、共通脆弱性評価システム「CVSS v3.0(Common Vulnerability Scoring System Version 3.0 Calculator)」のスコア値は「9.3」と設定されています。
システム要件について
「VMware Fusion 13.6.3」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS Ventura(macOS 13)」以降(「macOS Sequoia(macOS 15)」を含む)となっています。「VMware Fusion 13.5.2」にてサポートされていた「macOS Monterey(macOS 12)」は対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのmacOSのサポートも「macOS Ventura(macOS 13)」〜「macOS Sequoia(macOS 15)」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、VMware Cloud Foundation Communities等を通じて確認可能となっています。
「VMware Workstation 17.6.3」について
その他にもVMwareからは、米国時間2025年3月4日付にて、Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」のメンテナンスアップデートに相当する「VMware Workstation 17.6.3 Pro Build 24583834」「VMware Workstation 17.6.3 Player Build 24583834」もリリースされています。
「VMware Workstation 17.6」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている「VMware Workstation 17.6.3」では、一部のシステムにおいて仮想マシンを起動した場合に「VMware Workstation」がクラッシュするケースが確認されていた問題、「Linux kernel 5.14.0-432」以上をベースとした「Centos 9 Stream(ホストOS)」において「VMware Workstation Pro」のインストールに失敗(コンパイルエラー)していた問題、「Windows 11(ホストOS)」に仮想マシンをインストールした状態でホストOSをロック、或いはロック解除した場合に、仮想マシンが応答しなくなっていた問題の修正が行われています。
「VMware Workstation 17.6.3」にアップデートした後にも最後の問題(「Windows 11(ホストOS)」に仮想マシンをインストールした状態でホストOSをロック、或いはロック解除した場合に、仮想マシンが応答しなくなっていた問題)が解決しない場合には、仮想マシンバンドル(.vmwarevm)に含まれる構成ファイル(.vmx)に「mks.enableDX12Presentation=FALSE」の行を追加する事によって、当該の問題を解決する事ができる可能性があるとの事です。