「VirtualBox 5.2.22」リリース、「October 2018 Update」との互換性を改善

Waylandゲストに向けた仕様変更の適用も

Oracle Corporationより米国時間2018年11月9日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.2.22 Build 126460(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 22)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、及びPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約91.2MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.2を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「5.2.20 Build 125813」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • オーディオ関連の改善。インプットバッファのプロセス時に ホストOSをスリープからの復帰した場合に ハングアップが引き起こされ得た、コアオーディオバックエンドにおけるリグレッションを修正。
  • ストリームに有効なミキサーシンクが接続されていない場合に、HDAエミュレーションにおいて クラッシュが発生するケースが確認されていた問題を修正(Rink Springer氏による貢献)
  • 「Windows 10 October 2018 Update(ホストOS)」との非互換性を修正
  • Windowsホストにおいて、ブリッジネットワークのドライバがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。ディスプレイサーバ「Wayland」を使用する最新のディストリビューションを対象として、3Dグラフィックスが無効化されるべくした変更を適用(Linux Additions)
  • パッケージ管理システムに「rpm」を使用するLinuxゲストにおいて、新しいカーネルを対象としたカーネルモジュールのリビルド時に発生し得た問題を修正(Linux Additions)
  • 「Linux Kernel 4.19」を対象として、更なる修正を適用(Linux Additions)
  • 「RHEL 6(Red Hat Enterprise Linux 6)」において、dracutコマンドを使用してinitrdファイルを再構築した場合に、エラーが発生し得た問題を修正(Linux Additions)
  • Linuxゲストをシャットダウン、或いはリスタートした後に、スクリーンサイズが記憶されなかった問題を修正(Linux Additions、「5.2.20 Build 125813」におけるリグレッション)

VirtualBox関連ではその他にも、次世代版に相当する「Oracle VM VirtualBox 6.0」のテストリリース(パブリックベータ)も開始されており、当エントリ投稿時点において「6.0.0 Beta 2 Build 126642」が公開されています。