「VirtualBox 7.1 Beta 2」リリース、自動インストール機能の改善

マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox 7」を対象としたアップデートリリースとして、米国時間2024年7月25日よりテストリリース(パブリックベータ)が開始されている「Oracle VM VirtualBox 7.1」ですが、米国時間2024年8月20日付にて最新プレビュー版に相当する「Oracle VM VirtualBox 7.1.0 Beta 2 Build 164448(Oracle VM VirtualBox 7 Update 1 Test Release 2)」がリリースされ、プロジェクトサイトを通じて、macOS(Intel、Apple silicon)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

「VBoxManage」のサブコマンドから、ゲストOSのマウントポイントを照会可能に

次世代版のテスト、評価等を主目的としたプレビュー版として位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VirtualBox 7.1 Beta 1)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 「About」スクリーン(「VirtualBox」>「About VirtualBox(VirtualBoxについて)」)に連動して、アプリケーションアイコンも再デザイン
    再デザインされたアプリケーションアイコン
    「About」スクリーンに連動して、アプリケーションアイコンも再デザイン
  • Microsoftによるハイパーバイザプラットフォーム「Hyper-V」の使用時に、CPUIDのインストラクションに向けて「EFLAGS.TF」のハンドリングを修正
  • 準仮想化デバイスのフレームワーク「virtio(virtio-net)」ネットワークインターフェイスにおいて、「FreeBSD 12.3」「pfSense 2.6.0」に向けた修正をフォローアップ
  • エクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)において、完全な仮想マシンの暗号化に向けて、暗号化サポートモジュールの修正を適用
  • 「Unattended Installation(自動インストール)」の改善。「Subiquity」「cloud-init」ベースのインストーラーをサポート。これにより、モダンなLinux(ゲストOS)を無人モードにてインストール可能に
  • 「Unattended Installation(自動インストール)」のプロセスにおいて、user(ユーザー)、admin(管理者)、root(ルート)の各アカウントに対して、別々のパスワードを指定可能に
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。仮想マシンの (ビデオ) 録画のプログレスを表示、及び(再)アタッチするための機能を追加
  • ゲストコントロールに向けた新たなサブコマンド「mount」を使用して、ゲストOSのマウントポイントを照会するための機能を追加(「Oracle VM VirtualBox 7.1」に向けたゲストOS拡張機能「Guest Additions」が必要)
  • 「VBoxShell」を対象として、多数の大小のバグの修正、及び「Python 3.x」との互換性の改善
  • And many others…

「Python 2.x」との互換性について。「Python 3」にアップグレードを

「Python 2.x」に向けたAPIのバインディングは現在非推奨としてマークされており、将来の版では削除される予定となっています。このため、コードをアップグレードして「Python 3」を使用するように、開発元から呼び掛けられています。

システム要件について

「VirtualBox 7.1」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、Intel版におけるホストOSは「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「VirtualBox 7.0」にてサポートされていた「macOS Catalina(macOS 10.15)」は対象外となりますので御注意下さい(macOSホストは「Universal 2 Binary」ではなく、各アーテクチャーに向けたバイナリー(OSX.dmg、macOSAArch64.dmg)が個別に提供されています)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。