「VirtualBox 7.1.8」リリース、「RHEL 9.7」カーネルを初期サポート

Oracle Corporationより米国時間2025年4月15日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.1.8 Build 168469(Oracle VM VirtualBox 7 Update 1 Hotfix 8)」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(Intel、Apple Silicon)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています。尚、Linuxホストにおいて「VirtualBox」のリポジトリーを利用しているユーザーは、「Software Updater(ソフトウェアの更新)」からもアップデート可能となっています)。

併せて「Linux kernel 6.14」も初期サポート

「VirtualBox 7.1」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている「VirtualBox 7.1.8」では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「VirtualBox 7.1.6」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 仮想化エンジンの改善。一部特定状況下において、仮想マシンのクロックが逆戻りするケースが確認されていた問題を修正。この問題は、ゲストOS拡張機能「Guest Additions」においてタイムシンクロナイズを無効化したり、「Guest Additions」自体を無効化したり、NTP(Network Time Protocol)同期を無効化した環境においても発生していた)
  • ユーザーインターフェイス(GUI)関連の改善。アクセラレートされたカーソルイメージが適切にが表示されていなかった問題を修正
  • 任意のスナップショットノードにリストアする場合に発生し得た、DevVirtioSCSI関連の問題を修正
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。VMSVGAグラフィックスアダプターが3Dアクセラレーションなしで使用されている場合に、仮想マシンの状態をリストアする際にアサーションがトリガーされ、スクリーン表示にフリッカーが発生し得た問題等を修正
  • VirtualBox Webサービスを通じて仮想マシンの構成を保存する時に、VBoxSVC がクラッシュ(ハングアップ)し得た問題を修正
  • モダンなLinuxディストリビューションにおいて、ワイヤレスネットワークアダプターを検出する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • 実行中の仮想マシンのスナップショットを削除した場合にも、スナップショットファイル(.sav)がディスクに残存してしまっていた問題を修正
  • Windowsホストにおいて、NAT(Network Address Translation)の接続が途切れてしまうケースが確認されていた問題を修正
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。「VBoxManage modifyvm(仮想マシンのネットワーク構成を「Host-only Networks(ホストオンリーネットワーク)」に設定する際等に使用するコマンドための)」の呼び出しを修正するためにユーザーマニュアルをアップデート
  • 「VBoxManagebandwidthctl」コマンドにてディスクの帯域幅を設定する事ができなかった問題を修正
  • And many others…

システム要件について

「VirtualBox 7.1.8」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSはIntelホスト、Apple Siliconホスト共に「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「VirtualBox 7.0」にてサポートされていた「macOS Catalina(macOS 10.15)」は、対象外となりますので御注意下さい(macOSホストは「Universal 2 Binary」ではなく、各アーテクチャーに向けたバイナリー(OSX.dmg、macOSAArch64.dmg)が個別に提供されています)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「macOS Sequoia(macOS 15)」の対応について

現時点で、Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Sequoia(macOS 15)」に対する対応について、公式なアナウンスはありません。ユーザーマニュアルにおけるサポート対象のホストOS、ゲストOSにも、同版はリストされていません。

「VirtualBox 7.0.26」リリース

その他にもOracleからは、同日付にて旧版(「VirtualBox 7.0」)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.0.26 Build 168464(Oracle VM VirtualBox 7 Update 0 Hotfix 26)」もリリースされており、「VirtualBox 7.1.6」と同様の「Windows 11 24H2(ゲストOS)」に対する互換性改善等が行われています。