「VirtualBox 7.1.4」リリース、「Windows 11 24H2」との互換性を改善

Oracle Corporationより米国時間2024年10月15日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.1.4 Build 165100(Oracle VM VirtualBox 7 Update 1 Hotfix 4)」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(Intel、Apple Silicon)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています。尚、Linuxホストにおいて「VirtualBox」のリポジトリーを利用しているユーザーは、「Software Updater(ソフトウェアの更新)」からもアップデート可能となっています)。

Linux(ARM)ゲストにおいて、「Guest Additions」の自動アップデートに対応

「VirtualBox 7.1」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている「VirtualBox 7.1.4」では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「VirtualBox 7.1.2」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • ユーザーインターフェイス(GUI)関連の改善。トルコ、インドネシア、イタリアの各言語リソースの追加に向けて、NLS(Native Language Support)をアップデート
  • VMSVGAの改善。最新のLinuxカーネル(「Linx kernel 6.4」「Linx kernel 6.4」)をベースとしたLinux(ゲストOS)において、画面表示の更新に関連した問題(フリッカリング、ブラックスクリーン等)が発生するケースが確認されていた問題を修正
  • 「Virtual 7.0.x」において、サスペンドからのレジューム、スナップショットへのロールバック(リストア)に失敗するケースが確認されていた問題を修正
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。アクセスする事ができない仮想マシンに向けて、「list vms」「showvminfo」の不具合を修正
  • 「Windows 11 24H2」及び最新のInsider Previewビルド(何れもホストOS)にて失敗していた、システムDLLサイズのチェックを修正
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善(Linux Guest Additions)。「Linux kernel 6.12」のイニシャルサポートを導入(注意:「Linux kernel 6.12」において、KVM(Kernel-based Virtual Machine)は、デフォルトにてモジュールのロード時に仮想化をイニシャライズする。この仕様に因して、VirtualBox仮想マシン(VirtualBox VM)が起動に失敗するケースが想定される。これを回避するためには、カーネルコマンドラインに「kvm.enable_virt_at_load=0」パラメーターを追加するか、或いは対応する「kvm_XXX」モジュールをアンロードするかの何れかの対応をする必要がある)
  • Linux Guest Additions(ARM)の改善。「Devices(デバイス)」メニューを通じて、ゲストOS拡張機能「Guest Additions」を自動アップデート可能に
  • ファームウェアインターフェイス「EFI(Extensible Firmware Interface)」が使用されている場合に、このデバイスに接続された別のデバイスからの起動を修正するために、不足していたLsiLogic MPT SCSIドライバを再度追加(「VirtualBox 7.1.0」におけるリグレッション)
  • ファームウェアインターフェイスに「EFI(Extensible Firmware Interface)」が使用されている仮想マシンにおいて、不具合が生じていたネットワークブートを再度実行可能に(「VirtualBox 7.1.0」におけるリグレッション)
  • And many others…

システム要件について

「VirtualBox 7.1.4」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSはIntelホスト、Apple Siliconホスト共に「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「VirtualBox 7.0」にてサポートされていた「macOS Catalina(macOS 10.15)」は、対象外となりますので御注意下さい(macOSホストは「Universal 2 Binary」ではなく、各アーテクチャーに向けたバイナリー(OSX.dmg、macOSAArch64.dmg)が個別に提供されています)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「macOS Sequoia(macOS 15)」の対応について

現時点で、Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Sequoia(macOS 15)」に対する対応について、公式なアナウンスはありません。ユーザーマニュアルにおけるサポート対象のホストOS、ゲストOSにも、同版はリストされていません。

「VirtualBox 7.0.22」リリース

その他にもOracleからは、同日付にて旧版(「VirtualBox 7.0」)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.0.22 Build 165102(Oracle VM VirtualBox 7 Update 0 Hotfix 22)」もリリースされ、「VirtualBox 7.1.4」と同様のシステムDLLサイズのチェックの修正等が行われています。