Waylandゲストに対する互換性改善も
Oracle Corporationより米国時間2020年6月5日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.10 Build 138449(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 10)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約118.0MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「6.1.8 Build 137981」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- GUI関連の改善。Linux(ホストOS)における XWayland(X Clients under Wayland)セッションにおいてQTを使用した場合に、GUIがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- スケーリングが有効化されたWindows(ゲストOS)においてマウスカーソルが適切に動作しなかった問題を修正
- コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。不正な入力をプロセッシングした場合に、「VBoxManage internalcommands repairhd」がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- 新規に作成された仮想マシンにおけるデフォルトにて、オーディオ入力とオーディオ出力を無効化
- ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。ディスプレイサーバとして「Wayland」を採用したLinux(ゲストOS)を対象として、解像度のリサイズ(ダイナミックレゾリューション)、及びマルチディスプレイのハンドリングを修正
- ペアレントセッションが非X11の環境において発生し得た、「VBoxClient」コマンドのエラーを修正
- Linux(ゲストOS、ゲストOS)において、「Linux Kernel 5.7」をサポート
- And many others…
今回は、旧版(Ver. 6.0、Ver. 5.2)を対象としたアップデートリリースはありません。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。