「Ubuntu 17.04 Zesty Zapus(GA版)」リリース

Canonical支援のUbuntu Foundationより英国時間2017年4月13日、Linuxディストリビューション「Ubuntu」の最新レギュラーリリースに相当する「Ubuntu 17.04(Zesty Zapus、GA版)」がリリースされ、現在Ubuntu Foundationによる公式ダウンロードページを通じて、x86-64(AMD64)を対象としたisoイメージが入手可能となっています(iso 約1.5GB。Intel x86(i386)版は、FTPサイトから入手可能。インストールCDが、そのままLive CDとして利用可能となっています)。

「Linux Kernel 4.10」「Unity」等を採用し、Ubuntu Budgieが公式フレーバーに

開発コードネーム「Zesty Zapus」として、英国時間2016年12月29日よりテストリリースが開始されていた当版では、Linuxカーネルとして「Linux Kernel 4.10」、X.Org Serverとして「X.Org Server 1.19.3」が実装されている他、デフォルトのデスクトップインターフェイスとして「Unity」、ファイルマネージャーとして「Nautilus 3.20.4」、WebブラウザーとしてMozilla Foundationによる「Firefox 52.0.1」、メールクライアントとして「Thunderbird 45.8.0」、オフィススイートとしてThe Document Foundationによる「LibreOffice 5.3.1」が各々採用されています。また、デスクトップ環境、パッケージ構成等の異なる公式フレーバーとして、「Ubuntu GNOME 17.04(GNOME 3.24)」「Kubuntu 17.04(KDE Plasma 5.9.4)」「Xubuntu 17.04(Xfce 4.12)」「Lubuntu 17.04(LXQt) 」「Ubuntu MATE 17.04(MATE 1.18.0)」「Ubuntu Budgie 17.04(budgie-desktop 10.2.9)」等も併せてリリースされています(「Ubuntu Budgie(旧budgie-remix)」は、当版より新たに公式フレーバーとして採用されています)。

「Ubuntu Budgie 17.04」on「VMware Fusion 8.5.6」
↑当版より、新たに公式フレーバーとして採用された「Ubuntu Budgie」。「Ubuntu Budgie 17.04(Zesty Zapus、ゲストOS)」on「VMware Fusion 8.5.6 Build 5234762」on「macOS Sierra 10.12.4(ホストOS)」

機能面においては、従来までパーティションとして自動構成されていたスワップ領域が ファイルとして構成されるべくした変更が適用された(必要に応じて、有効化、無効化を切り替える事が可能)他、印刷面では、モバイルOSにて採用が進んでいるネットワーク印刷テクノロジ「IPP Everywhere」「Apple AirPrint」が導入され、各々に対応するプリンタにおいては ドライバレスにてプリントする事が可能となっています。また、ゲストOSとして使用した場合のネットワークパフォーマンスの向上も行われています。

通常版としてリリースされている当版では、2018年1月までの9ヶ月間のサポート期間が設けられており、Ubuntu Japanese Teamからは、ライブ環境での日本語サポート、及び同チームによる追加パッケージ等を含む「Ubuntu 17.04 日本語 Remix」のリリースも予定されています。

Unityへの投資の打ち切りとGNOMEへの回帰

Canonicalは 英国時間2017年4月13日に、プレスリリースを通じて、Unityシェル、及びスマートフォン事業への投資の打ち切りと、クラウドサービスやIoT(Internet of Things)事業への注力等を発表しました。これにより、2018年4月にリリース予定の「Ubuntu 18.04 LTS」より、デスクトップ環境はGNOMEそのままに、フロントエンドのシェルの部分をUnityシェルからGNOMEシェルへと戻す事が発表されています。

「Ubuntu 17.04 日本語 Remix」リリース(2017年5月3日に追記)

Ubuntu Japanese Teamより、「Ubuntu 17.04 日本語 Remix(amd64)」が、日本時間2017年5月3日付にてリリースされました。また、2017年10月にリリース予定とされる「Ubuntu 17.10」のコードネームには「Artful Ardvark」が予定されています。