「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10(1.10.0)」リリース、「Windows 11 24H2」をサポート

年に一度のBlack Friday(ブラックフライデー)セールを開催しているAlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2024年11月14日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10.0 Build 23894」がリリースされ、Mac App Storeを通じて、日本語含む12言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「Windows 11 24H2」もゲストOSとしてサポート

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられ、「Parallels Desktop 20.1.1」をベースとする当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.4」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

ルックアンドフィールの改善

  • サポートされている全てのオペレーティングシステム(macOS、Windows、Linux)のネイティブUIを使用して、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」を再構築(信頼性とユーザービリティを大幅に改善)

Windows(ゲストOS)の改善

  • Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 11 24H2」をゲストOSとしてサポート。Parallelsが行ったテストによると、「Windows 11 24H2」ではWoA(Windows on Arm)におけるx86ベースのアプリケーションの安定性と実行速度が向上し、多くの重要なWindowsアプリケーションがApple silicon in Macにおいて実行可能となる
  • 「Microsoft Word」「Microsoft PowerPoint」等のWindows(ゲストOS)アプリケーションにおいて、「macOS Sequoia(macOS 15)」の「Writing Tools(作文ツール)」を使用可能に(この機能は、生成モデルを齎すパーソナルAI(Artificial Intelligence)システム「Apple Intelligence」が有効化された「macOS 15.1(macOS Sequoia for Apple silicon)」以降においてサポートされる)。Windows(ゲストOS)において「Writing Tools(作文ツール)」を呼び出す場合には、「command」+「shift」+「w」のキーコンビネーションを使用する
  • Intel x86_64、ARMの両アーキテクチャーを対象として、Microsoftによるサーバーオペレーティングシステム「Windows Server 2025」をゲストOSとしてサポート
  • 「ArcGIS Pro」「LabVIEW」「Ninja Trader」等、多数のWindows(ゲストOS)アプリケーションとの互換性を改善
  • 新規にインストールされた「Windows 11(ゲストOS)」において、予期せずユーザー名とパスワードの入力が求められるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Windows 11 24H2(ゲストOS)」をウインドウモードにて実行している場合に、ダイナミックレゾリューション(動的解像度)が適切に機能しないケースが確認されていた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)のファイルを安全に削除するために、その都度ファイルを完全に削除するのではなく、macOS(ホストOS)の「Trash(ごみ箱)」に移動すべくした仕様変更を適用
  • Apple siliconホストにおいて、「Rhino 8」のワイヤーフレームが正確にレンダリングされないケースが確認されていた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)において実行される「Houdini 20」モデリングソフトウェアにおいて、グラフィックス関連の不具合、及びモデル化されたオブジェクトの一部が欠落して表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Windows 11(ゲストOS)」において、L8ソフトウェアがオブジェクトを表示せず、ビデオメモリー不足のエラーを表示する原因となっていた問題を修正

Linux(ゲストOS)の改善

  • フリーシステムカテゴリー(「Installation Assistant(インストールアシスタント)」>「Free Systems(無料システム)」セクション)における構成済みの仮想アプライアンスにおいて、「Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)」「Fedora 40」「Debian 12.6」「Kali Linux 2024.2」等のポピュラーなLinuxディストリビューションの最新版を追加
  • 新たに「Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)」「Fedora 39」「Fedora 40」「Kali Linux 2024.2」をゲストOSとしてサポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴う ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が同梱され、自動インストール機能「Linux Express Install(Linux簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、ドラッグアンドドロップ等の諸機能を利用可能に
  • Intelホストに対して「Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat、ゲストOS)」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • 最新のLinuxカーネルにて確認されていた複数の互換性問題を排除すべくして、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」にて高レベルのFUSE API(Filesystem in Userspace Application Programming Interface)を採用
  • Linux(ゲストOS)からのIPP((Internet Printing Protocol)プリントがサポートされ、Linux(ゲストOS)からホストコンピューター(Mac)に接続されたプリンターを使用可能に
  • 一部のLinuxディストリビューション(Ubuntu、Fedora、Kali Linux)を対象として、アイコンをアップデート
  • Ubuntu(ゲストOS)を手動でインストールした場合に、キーボード、マウスが適切に機能しないケースが確認されていた問題を修正

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10」において廃止された機能

Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計をベースに、使用頻度の低い機能のサポートを停止するか、或いは完全に除去する事によって、よりクリティカルで使用頻度の高い機能のサポートと更なる機能強化に重点を置く事が決定されています。

その結果として、以下の機能が「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9」を最後に、「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10」にて削除されています。

アーキテクチャー共通で廃止される予定の機能

  • macOS、Windows、Linux仮想マシンのネットワークブート

Intelホスト(Intel Mac)で廃止される予定の機能

  • Kernel Extension(.kext、カーネル拡張、カーネルエクステンション)に依存するネットワーク、及びUSBエミュレーションのサポート
  • 「Mac OS X Server 10.5 Leopard」「Mac OS X Server 10.6 Snow Leopard」「Mac OS X Lion(Mac OS X 10.7)」「OS X Mountain Lion(OS X 10.8)」「Oracle Solaris」のゲストOSとしてのサポート

上記の機能(「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10」において廃止された機能)はビジネスクリティカルな機能ではないと想定しているため、これらの変更が現行のワークフローに及ぼす影響は限定的であると想定されています。

システム要件について。「macOS Sequoia(macOS 15)」を正式にサポート

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」「macOS Sequoia(macOS 15)」となっています(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」〜「macOS Sequoia(macOS 15)」となります)。「mmacOS Sequoia(macOS 15)」のGAリリースに伴い、「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10」より同オペレーティングシステムが、ホストOS、ゲストOSとして正式にサポートされています。

Black Friday(ブラックフライデー)セールについて

冒頭でも触れましたが、Parallelsでは現在、2024年12月12日までの期間にてBlack Friday(ブラックフライデー)セールが開催されています。ここでは、公式サイトから購入可能な「Parallels Desktop for Mac」の各エディションが25%offの割り引き価格にて販売されていますが、サブスクリプションで購入する場合には初年度のみが割り引き価格となります。2年目以降は通常価格での更新となりますので御注意下さい。