「Parallels Desktop 27(27.0.0)」リリース、Intel Macのサポートを終了(「Parallels Desktop 27.0.1」追記)

macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」における2026年のリリースは、「macOS Golden Gate(macOS 27)」を試験的にサポートし、Intel Macのサポートを終了した形でのリリースとなりました。

AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2026年8月25日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップグレードリリースに相当する「Parallels Desktop 27 for Mac 27.0.0 Build 58628(GA版)」がリリースされ、Parallelsによる公式ダウンロードページを通じて、日本語含む11言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(サブスクリプションユーザーは、追加のコストを伴わずしてアップグレード可能となっています。また、アプリケーションをアクティベートする際には、インターネット接続環境が必要となります)。

約20年に渡るIntel Macのサポートを終了し、対象アーキテクチャーをApple siliconに一本化

米国時間2026年3月26日よりテストリリース(プライベートベータ「pdfm 2026 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「March Technical Preview 1 Build 57891」~「August Release Candidate 2 Build 58487」)を通じた主な特徴として以下の項目等が示されています(「Parallels Desktop 26.3.0」からの主な変更点となります)。

サポート対象オペレーティングシステムの追加

  • Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Golden Gate(macOS 27)」をプライマリーOS(ホストOS)、ゲストOSとして試験的にサポート。「macOS Golden Gate(macOS 27)」の正式リリース後には、ParallelsのサポートステータスもGAに昇格する予定

全エディション共通の改善

  • Windows、及びLinux(何れもゲストOS)がゲストOSとしてインストールされている仮想マシンにて、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple M4」「Apple M5」チップにおけるCPU拡張「SME(Scalable Matrix Extension)」を利用可能に。これにより、ローカルAI推論等のようなマトリックス(行列演算)を多用するワークロードの処理が高速化された
  • セキュリティ関連の改善。今回のアップデートでは、仮想ネットワークスタック、仮想GPUコマンド処理、及び準仮想化デバイスのフレームワーク「virtio(virtio-gpu、virtio-net)」サブシステムにおける複数のセキュリティ脆弱性に対処した。これらの修正には、メモリ破損の問題、アウトオブバンド(範囲外)の読み込み、及び権限昇格の脆弱性が含まれる

Windows(ゲストOS)の改善

  • Windows(ゲストOS)は、Appleによる「Metal」グラフィックスAPIによって再設計されたOpenGLドライバーで実行されるようになり、サポートが前版(Parallels Desktop 26 for Mac)における「OpenGL 4.1」から「OpenGL 4.3」に引き上げられ、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple M3」チップ以降を実装したシステムにおけるベンチマークは、最大で2.6倍高速化された
  • 米国におけるアクティブトレーダー、機関投資家向けのオンライン証券アプリケーション「TradeStation(トレードステーション)」が、エラーメッセージ(Graphics Error)を伴って起動時にクラッシュしていた問題を修正
  • Coherence(コヒーレンス)モードにて実行している「Windows 11(ゲストOS)」において「PDF-XChange」を起動した際に、アプリケーションウインドウに黒いボックス状のアーチファクトが発生していた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)においてプロジェクトファイルを開いた際に、PCB(Printed Circuit Board、プリント回路基板)設計ソリューション「Altium Designer」がクラッシュしていた問題を修正

Linux(ゲストOS)の改善

  • サポート対象オペレーティングシステムの追加。新たに「Ubuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon)」「Ubuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon、x86_64エミュレーション)」「Fedora 44」「Debian 13.6(Trixie)」「Kali Linux 2026.2」をゲストOSとしてOOTB(Out-of-the-box、アウト・オブ・ザ・ボックス)サポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴うゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が同梱され、自動インストール機能「Linux Express Install(Linux簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、ドラッグアンドドロップ等の諸機能を利用可能に
  • ヘッドレスモードで運用する「Ubuntu ARM(ゲストOS)」のゲストOS拡張機能「Parallels Tools」は、グラフィカルセッションを必要とせず、コマンドラインを使用してアップデート可能に
  • 共有フォルダーデーモン(prl_fsd)を「libfuse2」から「libfuse3」にアップデートし、モダンなLinuxディストリビューションに対する安定性と互換性を改善

「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」の改善

  • 「Parallels Desktop 27 for Mac」において、OSの相互運用性を確約するためのコンプライアンスプログラム「ARM SystemReady SR 3.1 (VE band)」の認証を取得。これによりコンプライアンスが強化され、新たなOSリリースとの互換性が向上し、予期せぬ問題が発生するリスクが軽減される
  • 「Windows 24H2(ゲストOS)」を実行している仮想マシンにおける宣言的展開中に、プロビジョニングパッケージを適用する事ができなかった問題を修正

「Parallels Desktop 27 for Mac」において廃止された機能

Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計をベースに、使用頻度の低い機能のサポートを停止するか、或いは完全に除去する事によって、よりクリティカルで使用頻度の高い機能のサポートと更なる機能強化に重点を置くといった取り組みが進められています。

「Parallels Desktop 27 for Mac」においても同様の対応が進められており、同版においては以下の機能が廃止されています。

  • 「macOS Ventura(macOS 13)」のプライマリーOS(ホストOS)としてのサポート
  • ホストシステムにおけるIntelアーキテクチャーのサポート(Intel Macのサポートを終了)
  • Boot Campパーティションを仮想マシンとして実行する機能
  • トラベルモード(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Options(オプション)」>「Travel Mode(トラベルモード)」)
  • PIM(Personal Information Manager:個人情報管理ソフト)「Microsoft Outlook(クラシック)」を対象とした未読のEメールバッジ、及び新規メールの通知
  • 環境設定におけるセキュリティ項目(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Security(セキュリティ)」)。これらの設定は現在、「Enterprise Edition」の管理者によってリモートで制御されている(個人ユーザーは、標準的な認証方法を使用してホストコンピューター(Mac)のユーザーアカウントと仮想マシンを保護する事が推奨されている)
  • Bluetooth共有。この機能が廃止されても、ホストコンピューター(Mac)に接続されたBluetoothデバイス(キーボード、マウス、ゲームコントローラー等)は、仮想マシンにおいて通常通り動作する(注:Bluetoothデバイスを仮想マシンに直接接続するためには、USB Bluetoothドングルの使用を御検討下さいとの事)

上記の機能(「Parallels Desktop 27 for Mac」において廃止された機能)はビジネスクリティカルな機能ではないと判断されているため、これらの変更が及ぼす影響は限定的であり、現行のワークフローには殆ど影響しないと想定されています。

システム要件について。Intel Macのサポートを終了

「Parallels Desktop 27 for Mac」におけるシステム要件は、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon Mac(「Apple M1」〜「Apple M5」、「A18 Pro」)」、ホストOSは「macOS Sonoma(macOS 14)」「macOS Sequoia(macOS 15)」「macOS Tahoe(macOS 26)」となっています。「Parallels Desktop 26」にてサポートされていた「macOS Ventura(macOS 13)」は対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのmacOSのサポートは「macOS Monterey(macOS 12)」〜「macOS Tahoe(macOS 26)」となります)。また、既知の問題点を含むその他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

Apple純正デュアルブート支援ツール「Boot Camp 1.0 Beta」が突如としてリリースされ、コンピューター業界が喧騒に包まれた翌日(米国時間2006年4月6日)に、最初のBeta版に相当する「Parallels Workstation 2.1 for Mac OS」をリリースした「Parallels Desktop for Mac」ですが、20年の時を経て、Intel Macのサポートを終了する形となりました(「Parallels Desktop 20 for Mac」「Parallels Desktop 26 for Mac」は、現時点においてもアクティブにメンテナンスされています)。

「macOS Golden Gate(macOS 27)」の互換性ステータスについて

Parallelsからは、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Golden Gate(macOS 27)」との互換性情報を告知するナレッジーベース(KB131146)も公開されています。

Parallelsのエンジニアリングチームは現在、安定した信頼性の高いユーザーエクスペリエンスを確保するために「macOS Golden Gate(macOS 27)」のプレビュー版を使用して「Parallels Desktop for Mac」のテストを続けており、両ソフトウェア間における互換性の問題、パフォーマンス上の懸念、及び潜在的な競合を特定することに重点を置いていると伝えられています(互換性情報のナレッジベースは、必要に応じて随時に更新されるとの事です)。

「Parallels Desktop 27.0.1」リリース(2026年9月2日に追記)

米国時間2026年9月1日付にて「Parallels Desktop 27 for Mac 27.0.1 Build 58670(Parallels Desktop 27 Update 0 Hotfix 1)」がリリースされました。

「Parallels Desktop 27 for Mac」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている「Parallels Desktop 27.0.1」では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「Parallels Desktop 27.0.0」からの主な変更点として以下の項目等が示されています。

Windows(ゲストOS)関連の改善

  • 共有Windowsアプリケーション(「Microsoft Excel」等)の「Starting…(起動中…)」ウインドウが、Coherence(コヒーレンス)モードにおいてアプリケーションが既に起動した後もスクリーンに表示されたままになっていた問題を修正

「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」に向けた改善

  • 種々のポリシー関連の問題によって、Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」や環境設定パネル(「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」が正しく一貫して適用されないケースが確認されていた問題を修正
  • 宣言的デプロイメントのプロビジョニングオプションが登録時に正しく適用されなかった問題を修正
  • インターネットに接続されていない状態で暗号化された仮想マシンを起動した際に、誤ったアラートテキスト(警告メッセージ)が表示されていた問題を修正

メンテナンスアップデートに相当するリリースです。機能の追加は行われておらず、システム要件にも前版(Parallels Desktop 27.0.0)からの変更はありません。

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