AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2025年4月22日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop 20 for Mac 20.3.0 Build 55895(Parallels Desktop 20 Update 3 Hotfix 0)」がリリースされ、Parallelsによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「Parallels Desktop」>「Check for Updates…(更新をチェック…)」)を通じて、日本語含む12言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。
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x86-64エミュレーションモードにおいて「SSE 4.2」命令セットをサポート
「Parallels Desktop 20 for Mac」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている「Parallels Desktop 20.3.0」では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「Parallels Desktop 20.2.1」からの主な変更点として以下の項目等が示されています。
全般的な改善
- 「Parallels Desktop 20.2.0」以降にアップグレードした場合に、仮想マシンのサスペンド状態がリセットされてしまうケースが確認されていた問題を修正
- 「Parallels Desktop」のアクティブなライセンスが期限切れと表示されるケースが確認されていた問題を修正
- 「macOS Sequoia(macOS 15)」のユーザーが、Touch IDを使用して「Parallels Desktop」のインストールを認証できなかった問題を修正
- プロテクトされた仮想マシンの設定を変更するために、二重認証(Touch IDとパスワード)が要求されていた問題を修正
- x86-64エミュレーションモードにおいて、多くのモダンなオペレーティングシステムで必要とされる「SSE 4.2(Streaming Single Instruction, Multiple Data Extensions 4.2)」命令セットをサポート
- 外部の受信者が変更を問い合わせる代わりに仮想マシンイベントを継続的にストリーミング可能とするコマンドラインユーティリティ「prlctl monitor-events」に対して、イベントエミッター機能を追加(この機能は、「Parallels Desktop for Mac Pro Edition」「Parallels Desktop for Mac Business Edition」「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」において利用可能)
Windows(ゲストOS)関連の改善
- 「Nuance Dragon Medical One」からmacOS(ホストOS)アプリケーションへの口述テキストの自動ペーストがサポートされ、医療従事者を対象としたmacOSにおけるスムーズなワークフローを実現
- 「Installation Assistant(インストールアシスタント)」を使用して「Windows 11(ゲストOS)」をインストールしようとした場合に、エラーメッセージ(There is no operating system installed in this virtual machine(この仮想マシンにオペレーティングシステムがインストールされていません))が表示されていた問題を修正
- macOSにおけるOBS仮想カメラをWindows(ゲストOS)で実行されているアプリケーションの入力用として使用するためのサポートを追加
- 「Windows 11(ゲストOS)」においてWebリンクをmacOS(ホストOS)のブラウザーで開くように設定されている場合に、アンカーリンクの処理が適切に行われていなかった問題を修正
- And many others…
システム要件について。「macOS Monterey(macOS 12)」のサポートが終了
「Parallels Desktop 20 for Mac(「Parallels Desktop 20.3.0」以降)」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」「macOS Sequoia(macOS 15)」となっています。「Parallels Desktop 20.2.1」にてサポートされていた「macOS Monterey(macOS 12)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」〜「macOS Sequoia(macOS 15)」となっています)。また、既知の問題点を含むその他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。
また、「Parallels Desktop 20 for Mac」からサポートされた「Writing Tools(作文ツール)」は、生成モデルを齎すパーソナルAI(Artificial Intelligence)システム「Apple Intelligence」が有効化された「macOS 15.1(macOS Sequoia for Apple Silicon)」以降においてサポートされています。
「macOS Monterey(macOS 12)」のホストOSとしてのサポートが終了したため、故Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏が封筒から取り出した初期デザインの「MacBook Air(最終モデルは「13-inch, 2017」)」では、「Parallels Desktop 20.2.1」が実行可能な最後の版となります。
「Parallels Desktop 20.3.1」リリース(2025年6月22日に追記)
米国時間2025年5月22日付にて「Parallels Desktop 20 for Mac 20.3.1 Build 55959(Parallels Desktop 20 Update 3 Hotfix 1)」がリリースされました。
「Parallels Desktop 20 for Mac」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている「Parallels Desktop 20.3.1」では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「Parallels Desktop 20.3.0」からの主な変更点として以下の項目等が示されています。
- Coherence(コヒーレンス)モードにおいてmacOS(ホストOS)のDockから「Windows 11(ゲストOS)」の「Start(スタート)」メニューを起動しようとした場合に、同メニューが表示されないケースが確認されていた問題を修正
- デスクトップ上で複数のアイコンを選択した場合に、「Windows 11(ゲストOS)」がフリーズしていた問題を修正
- 「Windows 11(ゲストOS)」、macOS(ホストOS)間において、ドラッグアンドドロップオペレーションに影響を及ぼしていた問題を修正
- Windows(ゲストOS)において、3Dビュー表示でプロジェクトをロードする際に「Xactimate Desktop」がクラッシュしていた問題を修正
- 実行中のmacOS(ゲストOS)仮想マシンをサスペンドステートにおいてスナップショットを作成した後に、(当該の仮想マシンを)レジュームする事ができないケースが確認されていた問題を修正
以降は、「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」に向けた改善となります。
- 「Lock VM to organization(VMを組織にロック)」(別名「Do not allow running virtual machines without this company’s Parallels license(この会社のParallelsライセンスのない仮想マシンの実行を許可しない)」)機能を有効化する事によって、組織の仮想マシンが組織に属していないの別のコンピューター(Mac)で実行される事を未然に防ぐ事が可能となった。この機能は「Parallels Management Portal」から一元的に管理する事が可能となっている
- 仮想マシンのゴールデンイメージファイルに対して、Dropboxのダイレクトリンクを使用する事ができなかった問題を修正
システム要件に前版からの変更はありません。64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」「macOS Sequoia(macOS 15)」となっています。「Parallels Desktop 20.2.1」にてサポートされていた「macOS Monterey(macOS 12)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」〜「macOS Sequoia(macOS 15)」となっています)。また、既知の問題点を含むその他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。