共有フォルダー機能を再設計してユーザービリティを改善した他、「Spotlight」の検索結果に表示されるアプリケーションアイコンにOSバッジを追加した「Parallels Desktop 19.4.0」がリリースされました。
AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2024年5月23日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop 19 for Mac 19.4.0 Build 54962(Parallels Desktop 19 Update 4 Hotfix 0)」がリリースされ、Parallelsによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「Parallels Desktop」>「Check for Updates…(更新をチェック…)」)を通じて、日本語含む12言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。
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共有フォルダーを再設計して、共有フォルダー内のファイルへのポインターとしてシンボリックリンクを採用
「Parallels Desktop 19 for Mac」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている「Parallels Desktop 19.4.0」では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「Parallels Desktop 19.3.1」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
全般的な改善
- macOSにおけるメタデータ検索テクノロジー「Spotlight」の検索結果に表示されるアプリケーションアイコンにOSバッジを追加。この機能は、どのアプリケーション(ゲストOS)を起動しようとしているのかを正確に示すための便利な視覚的な手掛かりとなる
- 仮想マシンのえ「USB 2.0 High Speed」ポートに対して接続されたUSBデバイスが、ゲストOSにおいて正確に表示されなかった問題を修正。この修正は「macOS Sonoma(「macOS 14.5」パブリックベータ、ゲストOS)」以降がインストールされたMacにおいて適用される
- 開発や学習のニーズに合わせて、Apple Silicon Mac(Apple M1、Apple M2、Apple M3)ホストにおいて「Microsoft SQL Server」を実行するための新たな方法を導入。この機能の詳細については、ナレッジベース(KB129699)を参照
Windows 11(ゲストOS)の改善
- 共有フォルダー機能を再設計して、共有フォルダー内のファイルへのポインターとしてシンボリックリンクを採用。この仕様変更によって、Windows(ゲストOS)からは 共有フォルダーがローカルディスク(C:)におけるファイスシステムリソースの一つであるようかのように扱われる。この機能の詳細については、ナレッジベース(KB130138)を参照
- 共有フォルダー機能の再設計に伴い、共有フォルダーにデータを保存した「NinjaTrader」「Mathematica」等が適切に起動しなかった問題、或いは起動しても適切に実行されなかった問題が解決
- インストールプロセス中に、ユーザーがmacOSにおいて「.exe」ファイルを開こうとした場合に、Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 11(ゲストOS)」が適切にインストールされなかった問題を修正
- Apple Silicon Mac(Apple M1、Apple M2、Apple M3)ホストにおいて実行されている「Windows 11(ゲストOS)」 に対して、開発環境の「LabVIEW(Laboratory Virtual Instrument Engineering Workbench)」 をインストールする場合に、BSOD(Blue Screen of Death、ブルースクリーン)が引き起こされ得た問題を修正
- 「Delphi(IDE)」「Solidworks」等のアプリケーションをCoherence(コヒーレンス)モードにて実行した場合に、右クリックで呼び出せる筈のコンテキストメニューが消失していた問題を修正
「Parallels Desktop for Mac Pro Edition」「Parallels Desktop for Mac Business Edition」の改善
- 招待メール経由で「Business Edition」をインストールした場合に、製品がアクティベートされなかったり、IT部門によって提供される仮想マシンをインストールするための適切なダイアログが起動されないケースが確認されていた問題を修正
コマンドラインユーティリティ「prlctl」の改善
- シャットダウンされた仮想マシンのディスクスペースを再利用する際に役立つ新たなアクションを導入
prlctl reclaim-disk <VM_name or VM_id>
- ネットワークコンディショナーを対象としたコマンドラインサポートを追加。この機能強化によって、ソフトウェアをテストする際に有意な、様々な接続条件をシミュレート可能に。有効化するためには、以下のコマンドを実行
このコマンド、及びその他のCLI(Command Line Interface)コマンドと引数の詳細に関しては、デベロッパーガイドにおける「Command-Line Interface」セクションを参照prlctl set <VM_name or VM_id> --network-conditioner on
- 仮想マシンの IP アドレス、ネットワーク調整ステータス、及び別の仮想マシンのクローンであるかどうかなど、仮想マシンに関する追加情報を含めるために、「prlctl list」コマンドに対する引数「-i」に対して更なる出力項目を追加
システム要件について
「Parallels Desktop 19.4.0」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「Parallels Desktop 18 for Mac」にてサポートされていた「macOS Mojave(macOS 10.14)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Mac OS X Server 10.5」〜「macOS Sonoma(macOS 14)」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。