「High Sierra Beta」と「VMware Fusion 8.5」

投稿者 | 2017年6月18日

現時点で、APFS(Apple File System)には非対応

世界開発者会議「WWDC 2017(Worldwide Developers Conference 2017)」において発表され、ファイルシステム「APFS(Apple File System)」、グラフィックスAPI「Metal 2」の実装等が予定される、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS High Sierra 10.13」ですが、米国時間2017年6月12日付にて公開されたVMware Fusion Blog(公式ブログ)を通じて、同OSのBeta版を「VMware Fusion 8.5」にゲストOSとしてインストールするためのプラクティカルガイド(テストドライブ)が公開されていますので、その内容等を簡単に纏めてみたいと思います。

新規インストールか、アップグレードインストールか

開発サイドからは、既存のmacOS(OS X)ゲストからのアップグレードインストールが、最も容易なプロセスであると説明されています(何れかの問題が発生した場合に、適切なロールバックポイントに復旧する事ができるように、仮想マシンのスナップショット、或いはクローン(VMware Fusion Pro限定の機能)を事前に用意して下さい)。

アップグレードインストールは、物理マシンと同じプロセスがゲストOSで実行されるため、Appleのインストラクションが適用されます。

「VMware Fusion 8.5」で試用するためには

「VMware Fusion 8.5」は、米国時間2017年5月18日付にてリリースされた「8.5.7 Build 5528452」の段階において「macOS High Sierra Beta」をゲストOSとして正式にサポートしておらず、新規インストール時にエラーメッセージ(Unable to create the installation medium)が表示されたり、ゲストOSのブートボリュームにAPFSが適用されている場合に、UEFIのAPFSドライバがゲストOSを起動する事ができない、といった問題が確認されています。

しかしながら、アプリケーションパッケージに含まれる「Create Mavericks Installer.tool(「/Applications/VMware Fusion.app/Contents/Library/Create Mavericks Installer.tool」)」を GitHubにホストされている最新版(「macOS Sierra 10.12 Beta」のテスト時に公開された、コミュニティ(有志)による修正パッチの更新版)に置き換える事によって、新規にインストールして実行する事が可能となります(昨年に概説されたプロセスと同様に、GitHubのプロジェクトから.toolをダウンロードして、置き換えます。尚、アプリケーションパッケージは通常、単一のファイルとしてパッケージングされたバンドル形式にて提供されており、コンテキストメニューを通じて「Show Package Contents(パッケージの内容を表示)」を実行する事により、内包されている各種のリソースにアクセスする事が可能となります)。

パッチの適用後には、 「Terminal(ターミナル)」を通じて以下のコマンドを実行し、パーミッション(アクセス権)を適切な設定に調整します(要管理者権限)

sudo chmod 755 /Applications/VMware\ Fusion.app/Contents/Library/Create\ Mavericks\ Installer.tool
sudo xattr -rc /Applications/VMware\ Fusion.app/Contents/Library/Create\ Mavericks\ Installer.tool

問題が解決しない場合には、ホストシステムの再起動を試みて下さい。

APFSにすべきか否か

VMwareのエンジニアは、「APFS(Apple File System)」の新機能の活用に大きな関心を持っているとの事ですが、現時点では APFSが適用された仮想ディスクにインストールされたmacOS(ゲストOS)は、適切に起動する事ができません。

従って、「High Sierra Beta」をゲストOSとして試用する場合には、インストールプロセスにおいて表示される「Use APFS(APFSを使用する)」メッセージのチェックボックスにチェックが入っていない事を確認して下さい(現時点において、VMware仮想マシンを正常に起動させるためには、このチェックボックスをオフ(アンチェック)にして、APFSへのアップグレードを保留にする必要があります)。

このチェックボックスにチェックが入ったままの状態でインストールを実行した場合には、完了後の再起動プロセスが途中で停止ます(APFS UEFIドライバーのエラーに因して、Boot Manager(ブートマネージャー)が表示され、コンソールウインドウにもエラーメッセージ(No operating system was found.)が表示されます(APFS = no booty))。

その他の注意点

Mac App Storeから「Install macOS High Sierra.app」パッケージをダウンロードした場合には、インストールイメージの全容量がダウンロードされる訳ではありません。リクエストしたインストーラー(アップデーター)の容量は5MBしかなく、アップグレードするためのインストールプロセスにおいて残りの全容量をダウンロードします。

「VMware Fusion 8.5.7 Build 5528452」は、ホストOSのファイルシステムの種別に拘らず、「macOS High Sierra 10.13(ホストOS)」において適切に実行され、「macOS High Sierra 10.13(ゲストOS)」は、VMwareによるスクリプト(OSイメージの構造の変更をサポートするためのスクリプト)に対して小さなパッチを適用した後に、HFS PlusのゲストOSとして実行されます。

「macOS High Sierra 10.13 Beta」のサポートは、現時点において試験段階にあるため、本番環境での使用は推奨されません。テストを通じて得られた種々の体験は、コメントやコミュニティー等を利用して、フィードバックを提出すると良いでしょう。

「macOS High Sierra」に対しては、2017年の秋にリリース予定とされる次版(恐らく「VMware Fusion 9」)において、ゲストOS、ホストOS共に正式にサポートされる予定と伝えられています。