米Intel Corporationによって開発が行われ、2019年3月にリリースされた「UEFI Specification Version 2.8」の「Chapter 5」にて指定されているパーティション形式(パーティションスキーム、パーティションタイプ)。macOS、Windows、Linux、Solaris、FreeBSD等、多種のオペレーティングシステムの基盤を支えるベーステクノロジーの一つ。
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Intel Mac、Apple Silicon Macを起動可能なパーティションテーブル
Intel Mac、Apple Silicon Macの起動ボリューム、及びPowerPC Mac、Intel Macの非起動ボリュームに適用可能なパーティション形式で、「GUID Partition Scheme(GUIDパーティション方式)」「GUID Partition Map(GUIDパーティションマップ)」「GUID Partition Format(GUIDパーティションフォーマット)」等とも表記される(macOSにおける「Disk Utility(ディスクユーティリティ、/Applications/Utilities/Disk Utility.app)」では、「GUID Partition Map(GUIDパーティションマップ)」と表記されている)。
1990年代後半に、最終的には「UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)」として定義されるファームウェアインターフェイスの一部として新たに開発され、「UEFI 2.8 specification」の「chapter 5(UEFI 2.8仕様の第5章)」にて規定されている。MacintoshコンピューターにおけるIntelプロセッサーへの移行に伴い、Mac OS Xにおいても新たに採用された。
Intel Mac、Apple Silicon Mac(macOS)におけるブートボリュームに対しては「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」の適用が必須条件となっており、前期のアーキテクチャーに向けたmacOS(Mac OS X)は、同パーティションテーブルが適用されたボリュームに対してのみインストールする事が可能となっている。
そもそも「GUID」とは
「GUID」とは「Globally Unique Identifier」の略称で、Uniqueとの呼称が示す通りに、特定のアルゴリズムによって算出されるグローバルで一意な識別子を指している。そして「IA-64 (Intel Architecture 64)」をサポートするハードウェア用途に「EFI(Extensible Firmware Interface)」と共にIntelによって主導、推進されたのが、GUIDの特性をパーティションテーブルに応用した「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」となっている。
前記の特性等に起因して、特定の中央集権的な環境を必要とする事なく、ローカル環境において様々なデバイス、パーティション等を一意に識別可能としており、当該デバイスのインターフェイスを変更した場合にも、オペレーティングシステムレベルでは同一のボリュームとして認識する事が可能となっている。
「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」の特徴
「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」の特徴の一つとして、第1セクター(First Sector)を敢えて未使用領域として定義している点が挙げられ、この仕組みにアプローチする事によって「Master Boot Record(マスターブートレコード)」との共存を実現。Apple純正デュアルブート支援ツール「Boot Camp」における「Boot Camp Assistant(Boot Campアシスタント)」は、パーティション分割時に「Master Boot Record(MBR、マスターブートレコード)」の領域を作成する事によって、macOS(Mac OS X)とWindowsのデュアルブート環境を構築している。
また、パーティションデータ構造の整合性を高めつつ、一定レベルの冗長性を確保するために、GPTヘッダーとパーティションテーブルを「primary partition table(プライマリーパーティションテーブル、第2セクター以降)」と「secondary partition table(セカンダリパーティションテーブル)」「backup partition table(バックアップパーティションテーブル(最後部))」に分割して格納している。
各種アーキテクチャーとの互換性
各種アーキテクチャーとの互換性は以下の通りとなっている。
Apple Silicon Mac(macOS)
ボリュームへのアクセス(可能)、ボリュームからの起動(可能)
Intel Mac(Mac OS X、macOS)
ボリュームへのアクセス(可能)、ボリュームからの起動(可能)
PowerPC Mac(Classic Mac OS、Mac OS X)
ボリュームへのアクセス(「Mac OS X 10.4 Tiger」以降において可能)、ボリュームからの起動(不可能)
x86-64(Windows、Linux他)
ボリュームへのアクセス(可能)、ボリュームからの起動(可能)
尚、「Master Boot Record(マスターブートレコード)」を前提としたPC/AT互換機では、「GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)」はサポートされず、ボリュームにアクセスする事も、ボリュームから起動する事もできない。