「VMware Workstation 14(14.0.0)」リリース、VBSをサポート

UEFIセキュアブートにも対応する等、更なるセキュリティ強化を実現

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2017年9月26日、Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation」のアップグレードリリースに相当する「VMware Workstation 14.0.0 Pro Build 6661328(GA版)」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、Windows、Linuxを対象とした、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(Windows版(exe)約462.92MB、Linux 64bit版(bundle)約437.29MB)。

米国時間2017年7月18日よりテストリリース(プライベートベータ「Workstation 2017 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「July Technology Preview 1 Build 6056110」~「August Technology Preview 2 Build 6487709」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「12.5.7 Build 5813279」からの主な変更点となります)。

  • パフォーマンス、機能性の向上等を主目的として、「VMware Fusion 10」等と同様に、デフォルトの仮想ハードウェアのバージョンを「13」にアップグレード(virtualHW.version = “13”)。仮想マシンのハードウェアバージョンは、セッティングエディタを通じたGUIにて確認可能(「Other(その他)」>「Compatibility(互換性)」)
  • サポート対象オペレーティングシステムの追加。Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10 Creators Update」をゲストOS、ホストOSとしてサポート。ゲストOSとしては、「New Virtual Machine Wizard(新規仮想マシンウィザード)」において、同オペレーティングシステムのISOファイルを正確に認識し、自動インストール機能「Windows Easy Install(Windows簡易インストール)」オプション、「Unity」モード等の諸機能を利用可能
  • 「Ubuntu 17.04(Zesty Zapus)」「Fedora 26」「RHEL 7.4(Red Hat Enterprise Linux 7.4)」「CentOS 7.4」「Oracle Linux 7.4」「Debian 9.1」「SLES 12 SP3(SUSE Linux Enterprise Server 12 Service Pack 3)」「OpenSUSE 42.3」をゲストOS、ホストOSとしてサポート
  • セキュリティ関連の改善。「VMware vSphere 6.5(VMware ESXi 6.5)」で導入され、セキュアなブートプロセスを実現する UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)セキュアブート、及び「Windows Server 2016」「Windows 10」を対象とした「VBS(Microsoft Virtualization Based Security)」に対するサポートを追加
  • ストレージ関連の改善。最新の仮想ハードウェアが適用された仮想マシンにて、SATAの置き換えを担うべくした次世代のインターフェイス規格「NVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))」コントローラのエミュエーションをサポート(「VMware ESXi 6.5」では既サポート)
  • ネットワーク関連の改善。仮想ネットワークエディタを通じて、仮想ネットワークアダプタをリネーム可能に(現時点では、Windowsホストにおいてのみ利用可能)
  • 強化されたネットワークコントロール。既存のネットワーク速度、及びパケット損失シミュレータと共に、新たなネットワークレイテンシシミュレーション機能を使用する事によって、特定のネットワーク環境を容易にシミュレート可能に。また、組織を改善するためのVMネットワークの名称変更等の新たな機能を追加しながら、NATルールを管理するためのリクエストの多いインターフェイスを提供(「Network Adapter(ネットワークアダプタ)」>「Advanced Settings(詳細設定)」における新たなオプションをチェックする事によって、機能を有効化可能)
  • vSphere、ESXiホストに向けたパワーオペレーション(仮想マシンのリモート管理)。VMware Workstationからダイレクトに、ESXiホストに対して各種のパワーオペレーション(メンテナンスモードへの移行、退出、及びリスタート、シャットダウン等)を実行可能に
  • 仮想マシンフォーマットにおける標準規格 OVF(Open Virtualization Format)における「OVA(Open Virtualization Format Archive)」パッケージ(.ova)に対するサポートの改善により、VMware Workstationに対して(以前よりも容易に)VCSA(VMware vCenter Server Appliance)をインポート可能に
  • ユーザインターフェイス関連の改善。GUIクライアント(VMコンソール)に、仮想マシンのIPアドレス、MACアドレスが直接表示されるべくした改善を適用。この機能を有効化するためには、ゲストOS拡張機能「VMware Tools」の最新版がインストールされている必要がある
  • Linuxホストにおいて、新たに「GTK+ 3」ベースのユーザインターフェイスを採用。これは、ユーザエクスペリエンスの改善のみならず、新たなLinuxディストリビューションの継続的なサポートにも貢献する
  • 各種の自動化されたタスク。既存のWindowsホストにおいて利用可能な、手動での「Clean Up Disks(クリーンアップディスク)」コマンドは、仮想ディスク(.vmdk)のフリースペースの再利用に便利ではあるが、定期的に実行すると その効率性が低下する可能性が生じる。これを解決するために、当版では(このオペレーションを)仮想マシンの電源オフ時における自動手順とする。この機能は、セッティングエディタにおける「Advanced(詳細設定)」タブの「Clean up disks after shutting down this virtual machine(この仮想マシンをシャットダウンした後に ディスクをクリーンアップする)」のチェックボックスをオンにする事によって試用する事ができる。この機能は現在、Windowsホストにおいてのみ使用可能
  • 仮想マシンフォルダ(~/Virtual Machines)にロケートされた仮想マシンをオートスキャンで自動収集し、「Virtual Machine Library」に追加する事が可能に(収集対象としてネットワーク共有ストレージ、USBドライブもサポート)
  • ホストOSのシャットダウン時に、共有仮想マシンを自動的にサスペンドさせる事が可能に
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。各種プラットフォーム、及びアプリケーションを対象として、グラフィックスのレンダリングにおける正確性を改善、及びグラフィックスドライバのチューニング(Windowsビデオドライバをアップデート)
  • グラフィックスにおけるデスクトップエクスペリエンスを向上(パフォーマンスの改善等)
  • 一部のデバイスを対象として、USB関連の互換性を改善
  • 全般的な安定性、パフォーマンス、及びアプリケーション互換性を改善
  • And many others…

また、上記リストにも示しましたように、Ver. 14では新規仮想マシン作成時におけるデフォルトの仮想ハードウェアのバージョンが「13」にアップグレードされていますが、このバージョンが適用された仮想マシンは旧版の「VMware Workstation」とは互換性がありません。特に旧版で作成した仮想マシンをアップグレードする場合には御注意下さい。

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップグレードリリースに相当する「VMware Workstation 14.0.0 Player Build 6661328」もリリースされています。