「VMware Workstation 12.5 (12.5.0)」リリース、「Windows 10 AU」をサポート

「Windows Server 2016」「Windows 10 Anniversary Update」をサポート

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2016年9月13日、Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.0 Pro Build 4352439(GA版)」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、Windows、Linuxを対象とした、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(Windows版(exe)約304MB、Linux 64bit版(bundle)約357MB。Ver. 12からは、無償にてアップデート可能となっています)。

米国時間6月17日よりテストリリース(プライベートベータ「Workstation 2016 TP」)が開始されていた当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス等が行われており、一連のテストリリース(「June Technology Preview 1 Build 4284647」~「July Technology Preview 2 Build 4313106」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「12.1.1 Build 3770994」からの主な変更点となります)。

  • サポート対象オペレーティングシステムの追加。Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10 Anniversary Update」をゲストOSとしてサポート。「New Virtual Machine Wizard(新規仮想マシンウィザード)」において、同オペレーティングシステムのISOファイルを正確に認識し、自動インストール機能「Windows Easy Install(Windows簡易インストール)」オプション、Unity(ユニティ)モード等の諸機能を利用可能
  • Microsoftによる次世代サーバオペレーティングシステム「Windows Server 2016」をゲストOSとして試験的にサポート
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。各種プラットフォーム、アプリケーションを対象として、グラフィックスのレンダリングにおける正確性を改善、及びグラフィックスドライバのチューニング(Windowsビデオドライバをアップデート)
  • グラフィックスにおけるデスクトップエクスペリエンスを向上(パフォーマンスの改善等)
  • vmmon、vmnetドライバが適切にビルトされていなかった問題に起因して、「Linx kernel 4.6」を伴うLinuxホストにおいて、「VMware Workstation Pro」が適切に起動する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • 仮想マシンのパワーオフ時に、スナップショットにロールバックするように設定(「Options(オプション)」>「Snapshots(スナップショット)」)していた場合に、(パワーオフ時ではなく)サスペンド時に当該アクションが実行されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Windows Server 2016 Technical Preview(ホストOS)」において、ヘルプリンクが表示されなかった問題を修正(最新版のテクロジプレビューをホストOSとして使用する事によって、当該問題を回避)
  • システムにバンドルされているPerlの変更に起因して、「FreeBSD 10.3(ゲストOS)」において ゲストOS拡張機能「VMware Tools」をインストールする事ができなかった問題(インストールスクリプト(./vmware-install.pl)の実行時に、エラー(vmware-install.real.pl: not found)が発生していた問題)を修正
  • 仮想マシンからUSBデバイスの接続が解除された場合に、VMXエントリのUSBの自動接続が除去されていた問題を修正。この問題は、VID(Vendor ID)、PID(Product ID)を使用する事によって、USBデバイスを仮想マシンに対して自動接続するためにVMXエントリを追加した後に発生していた。このエントリは「VM(仮想マシン)」>「Removable Device(取外し可能デバイス)」>「Disconnect(切断)」を通じて、USBデバイスを仮想マシンから接続解除した場合に取り除かれる
  • 「Linux Kernel 2.6.32-642.el6.x86_64」を伴う「RHEL 6.8(Red Hat Enterprise Linux 6.8、ホストOS)」において、vmnetドライバのコンパルエラーに起因して、GUIクライアントの起動に失敗するケースが確認されていた問題を修正
  • 「VMware Workstation」をインストールした後に、ワイヤレスアダプタを接続する事ができないケースが確認されていた問題を修正。Microsoftは「Windows 8」から、非ドメインとドメインの同時接続を防ぐためのセキュリティポリシー (GPO(Group Policy)) を実装しており、このセキュリティポリシーが有効な状態で「VMware Workstation」をインストールした場合に、Windowsは「VMware Workstation」によって作成される仮想アダプタを物理接続としてみなしている。従って、(Windowsは、Wi-Fi接続よりも有線接続(仮想アダプタ)を優先するため)ワイヤレス接続を確立する事ができなかった
  • ゲストOS拡張機能「VMware Tools」の最新版がインストールされた「Windows Vista(ゲストOS)」をパワーオンにし、GUIクライアントのメニュー「View(表示)」>「Fit Guest(今すぐゲストを合わせる)」をクリックした場合に、ゲストOSのスクリーンサイズが変更されなかった問題を修正
  • 「Fedora 23(ホストOS)において、GUIクライアントを起動する事ができなかった問題を修正
  • カスタマイズされたフォルダパスに「VMware Workstation」をインストールし、そのインストールプロセスをキャンセルした場合に、デスティネーションフォルダの全てのコンテンツが削除されていた問題を修正
  • WindowsホストにおいてNVDIA GPUを使用している環境で、ゲストOSにおいて3Dアプリケーションを実行している場合に、「VMware Workstation unrecoverable error: (svga) 」(「VMware Workstation 回復不可能なエラー:(svga)」)が発生するケースが確認されていた問題を修正
  • 「Intel Braswell N3150(64bit)」プロセッサを搭載したホストコンピュータにおいて、仮想マシンを起動する事ができず、エラーメッセージ「MONITOR PANIC: vcpu-0:VERIFY vmcore/vmm/main/cpuid.c:376 bugNr=1036521」が表示されていた問題を修正
  • スマートカードの一部のタイプが、Linuxホストで動作するゲストOSにおいてアクセスする事ができないケースが確認されていた問題を修正(Linuxホストにおいて、「VM(仮想マシン)」>「Removable Devices(取外し可能デバイス)」メニューを通じて、ゲストOSに対してスマートカードの接続を試みた場合に、ゲストOSがスマートカードリーダを検出する事はできていたが、スマートカードにアクセスする事ができなかった)
  • 「Ubuntu 15.10(Wily Werewolf、ゲストOS)」以降の版において、オープンソースのゲストOS拡張機能「open-vm-tools」を「VMware Workstation Pro」にバンドルされている版の「VMware Tools」に置き換えた場合に、同ツールのサービスの一部が適切に機能しない(停止する)ケースが確認されていた問題を修正。この問題は、システムのリブート後にUbuntuのクラッシュレポートに報告されていた
  • 「BCDEdit」の「truncatememory」オプションを通じて、ゲストOSによって使用されるメモリ容量を制限しようとした場合においても、ゲストOSが 仮想マシンに対して割り当てられたメモリ容量をフルに使用してしまっていた問題を修正
  • 実行中の仮想マシンに対して、特定のUSB Ethernetアダプタを接続する事ができなかった問題を修正
  • セキュリティ関連の修正を適用
  • 一部のデバイスを対象として、USB関連の互換性を改善
  • 全般的な安定性、パフォーマンス、及びアプリケーション互換性を改善
  • And many others…

当版では、新規仮想マシン作成時におけるデフォルトの仮想ハードウェアのバージョン(Ver. 12)に変更はありません(virtualHW.version = “12”)。仮想マシンのハードウェアバージョンは、セッティングエディタを通じたGUIにて確認可能となっています(「Other(その他)」>「Compatibility(互換性)」)。

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.0 Player Build 4352439」もリリースされています。