「Windows Vista」で進められるパワーマネジメントの改善

投稿者: | 2005-10-29

「Windowsモビリティセンター」で、ノートPC固有の設定等を一元管理

Microsoftによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「Windows Vista」では、「Windows XP Service Pack 2」より導入された「セキュリティセンター」と同様のコンセプトを有するセントラルマネジメント機能「モビリティセンター」の実装が予定されています。これは、電源管理を含む 主としてノートブックコンピュータにて有用な各種設定等を一元管理可能とするための機能となるようですが、同時に ソフトウェアやハードウェアが、コンピュータのスリープ(スタンバイ)状態への移行を妨げる事ができなくなるような仕組みを導入する等、電源管理全般の見直しが図られるようです。

現行GA版の「Windows XP」では、終了時のオプションとして、「終了(シャットダウン、電源を切る)」「再起動」「スタンバイ(サスペンド)」「休止状態(ハイバネーション)」がありますが、現状における電源状態は、多くの場合において「オン」か「シャットダウン」の何れかの選択に留まっているのが実情のようです。この要因としては、

  • 各電源オプション(特に「スタンバイ」「休止状態」)の挙動が正しく理解されておらず、機能が浸透していない(各項目の表現が抽象的で理解し難い)
  • 特に複数のユーザで共用されるPC、或いはクリティカルな業務用途等で使用されるPCでは、理解されていても使用されないケースもある
  • スリープ状態へと移行したつもりが、実際にはスリープしていない(「Windows XP」では、ソフトウェアやハードウェアが、当該時点におけるタスクの状況によって、コンピュータのスリープ状態への移行を拒否する事ができる)

等が考えられるようですが、これらによって浪費されている電力量について、Microsoftからは「信じ難い数値だった」とのコメントが発せられています(現時点において、具体的な数値は 内々では明らかにされているものの、公表はされてはいません)。

そして「Windows Vista」では、前記の現状を改善するために、

  • 「Control Panel(コントロールパネル)」>「Power Options(電源オプション)」の内容を 理解しやすい表記で記述し、選択肢を「パフォーマンスを最大化する」「バッテリ電力の消費を最小限に抑える」「最適なものをWindowsに自動選択させる」の3種類に限定する。また、設定のデフォルト値として、より省力性の高いオプションを採用する
  • 新たなスリープオプションとして「ハイブリッドスリープ(「Power Options(電源オプション)」>「Advanced settings(詳細設定)」>「Allow hybrid sleep(ハイブリッドスリープを許可する)」)」を導入
  • ソフトウェア(アプリケーション)、ハードウェアに対して、コンピュータのスリープ状態への移行に対する拒否権を与えない(スリープ状態へ遷移しようとした場合に、アプリケーションがその通知を受け、データ保存に必要な数秒を確保する事は可能)
  • マルチメディアに対応したPCを主対象として、「Away(アウェイ)」と称される新たなモードを提供予定

等の対策が施されるようです。

実際に TVチューナを搭載したPCでは、電源オフのシャットダウン状態から即座にテレビを視聴する事ができるインスタントオン機能(インスタントモード)が重宝されていますが、PC本体で「使いたい時にすぐに使える」家電製品のような足回りを実現するには、ソフトウェアベンダとハードウェアベンダによる密な連携が不可欠となってきます。そういった意味でも、Windows OSにおける電源管理の効率性を高めるであろう Microsoftの今回の措置は、OSベンダが取り組むべき事を的確に理解した改善として評価できると考えています。