「VirtualBox 5.2.4」リリース

Linuxゲスト、ホストを中心とした種々の改善等

Oracle Corporationより米国時間2017年12月19日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.2.4 Build 119785(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 4)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、及びPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約91.2MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.2を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「5.2.2 Build 119230」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • ユーザインターフェイス関連の改善。X11ウインドウマネージャに適合すべくして、各種のデスクトップファイル(カスタムアイコン等)を調整(Linuxホスト)
  • 高解像度スクリーンを対象として、種々の改善を適用
  • サウンドドライバ「SB16(Sound Blaster 16)」におけるボリューム関連のハンドリングを修正(「5.2.0 Build 118431」におけるリグレッション)
  • オーディオの取り扱いに関連した、その他の種々の修正
  • USB、OHCI(Open Host Controller Interface)関連の改善。OHCIエミュレーションが、散発的にデータ転送のパフォーマンスを低下させるケースが確認されていた問題を修正
  • ホストスクリーンを変更し、且つコンソールウインドウを最大化した場合に、スクリーン表示が乱れるケースが確認されていた問題を修正(Linuxホスト)
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。Liunxゲストにおいて3Dアクセラレーション(「Display(ディスプレイ)」>「Video(ビデオ)」>「Enable 3D Acceleration(3Dアクセラレーションを有効化)」)を有効化した場合に、GNOMEシェルのログインスクリーンにおいてハングアップが生じるケースが確認されていた問題を修正(X11 Guest Additions、「5.2.0 Build 118431」におけるリグレッション)

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「OS X Yosemite(OS X 10.10)」以降(「macOS High Sierra 10.13」を含む)となっています。ゲストOSとしてのOS X(macOS)をインストールする事も可能となっていますが、サポート対象外となりますので御注意下さい(ゲストOS拡張機能「Guest Additions」も用意されていません)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

尚、Ver. 5.0に関しては、米国時間2017年4月28日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 5.0.40 Build 114633(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 40)」を最後に、サポートが終了していますので御注意下さい。現在アクティブに開発が行われているのは、Ver. 5.2、及びVer. 5.1の2ラインとなります。