「VirtualBox 5.1.26」リリース

VRDP関連のリグレッション等を修正

前版(5.1.24 Build 117012)のリリースから9日後に、更なるアップデートがリリースされましたので、ここで取り上げてみたいと思います。

Oracle Corporationより米国時間2017年7月27日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.26 Build 117224(VirtualBox 5.1 Maintenance Release 26)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、及びPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約90.2MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、前版(5.1.24 Build 117012)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • Windowsのバグを回避するために、仮想マシンのリセット時に、TSC(Time Stamp Counter)がリセットされるべくした変更を適用
  • オーディオ関連の修正。VRDP(VirtualBox Remote Desktop Protocol)接続が有効化されている場合に、メモリリークが発生するケースが確認されていた問題を修正(「5.1.24 Build 117012」におけるリグレッション)
  • PulseAudioバックエンドを使用している場合に、Linuxホストにおいて 大量のサウンドシンクが生成されるケースが確認されていた問題を修正
  • AC’97エミュレーションに向けて、録音ゲインレジスタを実装(比較的新しい版のUbuntu(ゲストOS)では、ゲインの制御、及びレコーディング(キャプチャ)レベルのミュートを行う場合に、この機能が利用される)
  • (bug #16945)

  • ストレージ関連の改善。IntelによるSPDK(Storage Performance Development Kit)でエミュレートされたNVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))コントローラを使用した場合に、ハングアップするケースが確認されていた問題を修正
  • マウス関連の改善。MicrosoftによるPTP(Precision Touchpad)で、ダブルクリックが適切に動作しないケースが確認されていた問題を修正
  • 「ip route」コマンドで、ホストオンリーネットワークインターフェイスが適切に起動されるべくした改善を適用(Linuxホスト。「5.1.24 Build 117012」におけるリグレッション)
  • deb/rpmパッケージに向けて「Python 3」ライブラリを適用(Linuxホスト)
  • ブリッジネットワークをインストールする事なく、ホストオンリーネットワークを使用可能に(Windowsホスト)
  • 一部のWindowsゲスト(「Windows Vista」以降)において、自動ログインが適切に機能しなかった問題を修正(「5.1.24 Build 117012」におけるリグレッション)

Ver. 5.0に関しては、米国時間2017年4月28日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 5.0.40 Build 114633(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 40)」を最後に、サポートが終了していますので御注意下さい。現在アクティブに開発が行われているのは、Ver. 5.1、及び現在開発過程にあり テストリリースが開始されているVer. 5.2の2ラインとなります。