洗練された「Safari」、役目を終えた「Internet Explorer(for Mac)」

投稿者: | 2005-05-08

洗練されたTigerとSafari

Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「Mac OS X 10.4 Tiger」もGAリリースから1週間が経過し、様々な情報が錯綜しているようですが、私の環境では、これまでのところ目立った不具合は出ていない状態です。実装されている諸機能の中では、メタデータ検索
「Spotlight」、デスクアクセサリ「Dashboard」が注目を集めていますが、何より評価すべき点は各種のパフォーマンスではないでしょうか。

Mac OS Xが他のオペレーティングシステム(Classic Mac OS含む)と比較した場合に、相対的に優れている点の一つとして、ある一定以上のハードウェアスペックを備えたホストコンピュータであれば、アップグレード毎にパフォーマンスの向上が齎されるといった事が挙げられるかと思います(だいたいRAMが512MB、VRAMが32MBが最低条件か。特にFinder関連のグラフィックス処理を受持つVRAM容量は重要で、Quartz Extremeの最低動作条件はVRAM 16MBとされているが、実際同容量の我が家の「PowerBook G4 550MHz(Gigabit Ethernet)」では、Dashboardの出入時にカクっと遅れるような感じがある)。

実際に起動時間を計測したところ、「Mac OS X 10.2 Jaguar」との比較で50%、「Mac OS X 10.3 Panther」との比較においても25%程度は高速に起動しますし、Finder関連のレスポンスも非常に良好です。マウスの軌跡も、昨今のHDディスプレイでの使用等も想定に含まれているのでしょうが、速いと評判だったPantherよりも、また一段と高速になっているような気がします。

そして、パフォーマンス関連において特筆すべきは Webブラウザ「Safari」ではないでしょうか。Tigerの登場と共にVer. 2.0へとアップグレードされ、RSSリーダとしての役割も兼揃えたSafariは、新たに実装されたRSSやATOMとの連携機能に注目が集まりますが、元来Safariの特徴としてアピールされてきたWebページのレンダリングパフォーマンスには、更に磨きがかかっています。

Panther時代の後半(Ver. 1.5)では、読み込み時等に若干もたつく感もあり、機能面も併せて考えると「Firefox」「Camino」に取って代わられそうな印象もありましたが、当版において見事なまでにブラッシュアップされています。Tigerへのアップグレードは、これだけでも価値があるとさえ思える程に、Safariは良い出来映えです。

一方では、去り行くIE、StuffIt Expanderも

そしてもう一つ、Tigerを導入された方は既にお気付きの事かと思いますが、今回のアップグレードによって(ついにと言うか)Microsoftによる「Internet Explorer for Mac(Macintosh Edition)」がバンドルソフトウェアから外れています。この件に関しては、ApppleのTIL(Tech Info Library)にも記載されている通り、Microsoftによる公式ダウンロードページから入手する事によって一応動作はするようです。しかしながら、最終版のVer. 5.2.3(2003年6月17日リリース。リリース当時の「Mac OS X 10.2 Jaguar」までがサポート対象)から2年近くは経過していますし、前記の通りにTiger自体が公式にサポートされていない状態ですから、セキュリティや可用性等、様々なリスクを考慮に入れても現実的には導入すべきではないでしょう。とはいえ、Webサイト側の問題もあるにせよ、まだまだSafariだけでは賄いきれない現状もありますので「Mozilla Firefox」辺りは入手しておいた方が良いかと思われます。

そしてもう一つ、Classic Mac OS時代から標準的なアーカイブユーティリティとして親しまれてきた「StuffIt Expander」も収録から外れています。Mac OS Xは、(システムの一部であるかの如くに)フェイスレスに実装されている「BOMArchiveHelper」を通じて、Windowsプラットフォームで標準とされているzipフォーマットでの圧縮、展開をサポートしていますから、そちらに移行していくという意思の表れなのでしょう。

「BOMArchiveHelper」は非常に使い勝手が良く、且つ高速に圧縮展開処理を実行可能となっていますし、zip形式は圧縮率も高いので、メリットはたくさんあると思われます。しかしながら現実問題として、ダウンロードファイルをsit形式で提供しているベンダは多いですから、現時点では「StuffIt Expander」も入手しておかないと、不便な場面に遭遇するかも知れません。ただ、Appleが今回とった措置によって、各プラットフォームがzip標準で統一がとれていくのは確実でしょう。規格が乱立しているよりは、我々ユーザにとっては喜ばしい方向に向かっていると考えたいものです。

「Quartz 2D Extreme」について(2005年7月4日に追記)

「Mac OS X 10.4 Tiger」では、新たに実装されたグラフィックスAPI「Quartz 2D Extreme」により、GPUに任せる描画処理の割合が増えています。尚、同APIを有効にするためには MicrosoftによるマルチメディアAPI「Direct X9」対応のGPUが必要となります(持ち得る能力を発揮させるためには、求められるハードウェアスペックも高くなってきているようです)。