Intel MacでWindowsの可能性

投稿者: | 2005-06-23

Appleは「意図的に排除せず」と柔軟な姿勢

米国時間2005年6月6日付にて行われた「WWDC 2005(Worldwide Developers Conference 2005)」の開幕を飾るキーノートスピーチでは、AppleのSteven Paul Jobs, CEOより、Macintosh、XserveにおけるIntelプラットフォームへの移行が発表されました。この件に関してAppleサイドでは、Mac OS Xの他社へのライセンス供与は否定しているようですが、MicrosoftによるWindows OSが Intelプロセッサ搭載のMacで動作する事に関しては、「それを意図的に排除するような事はしない」といった主旨の見解を述べているようです。

AppleによるIntelプロセッサの採用は、まだまだ不明瞭な点が多く、憶測が先走りする傾向にあるようですが、デュアルブートや仮想化を始めとするMac OS XとWindowsの互換性は、大きな関心事の一つとなっています。Mac OS Xのライセンス供与に関しては、Michael Spindler(マイケル・スピンドラー)時代の経緯からも、ジョブズ CEOの目の黒いうちはあり得ない、と思っていますが、その逆となると様々な将来が予想されてきます。

現時点では、プロセッサ自体も Intelがリリースしている既存のCPUを採用するのか、或いはMacに向けたOEM版が開発されるのか、といった動向等も未定とされていますし、ファームウェアインターフェイス(EFI(Extensible Firmware Interface)、BIOS(Basic Input/Output System))、パーティションテーブル、ドライバ関連の問題もあるでしょう。従って(現時点では)結果としてWindowsがネイティブで動作しても、それを意図的に排除するような事はしない、というのが実情のようです。

仮に直接動作する事ができなかったとしても、カーネルモード(特権モード、スーパバイザモード、マスターモード)における各種命令をハードウェアレベルにてハンドリング可能な CPU仮想化支援「Intel VT-x(Intel Virtualization Technology)」をサポートする仮想化ソフトウェアが出現すれば、「Microsoft Virtual PC」等のCPUエミュレーション環境とは別次元の高いパフォーマンスを得る事も可能でしょう。具体的には、「Virtual PC for Windows」におけるMac OS Xホストへの移植、或いは既にWindows、Linuxホストを対象としてホステッドハイパーバイザ(Type 2 ハイパーバイザ)を提供している「VMware Workstation」のMac OS Xプラットフォームへの進出等にも期待を寄せたいところです。

そのような側面からも、AppleによるIntelプロセッサ採用の知らせは、Mac OS X、Windowsの両オペレーティングシステムを併用せざるを得ない境遇の人達にとっては、ハードウェアの2重投資を回避する可能性が生じたという意味においても、非常にメリットの大きな事といえるのではないでしょうか。