Automator(オートメーター)

投稿者: | 2005-09-29

最終更新日 2017年5月31日

VMware仮想マシンのアクション
↑「VMware Fusion」を制御可能なAutomatorアクション(クリックで拡大表示)

定型作業の自動化をGUIのユーザインターフェイスで実現

米Appleより開発、提供等が行われている、自動化アシスタント。macOS(Mac OS X)を対象プラットフォームとし、米国時間2005年4月29日付にてリリースされた「Mac OS X 10.4 Tiger」において、中核機能の一つとして新たに実装された。独立したアプリケーションとして提供されており、定型作業を主とした各種タスクの自動化を GUIの環境でオーサリングする事を可能としている。作成したワークフローは書類形式のみならず、アプリケーションやプラグイン等、多様な保存形式がサポートされている。

スクリプト言語の「AppleScript」とは異なり、テキストで命令を記述する事なく、殆どの操作をマウスで行う事が可能となっており、各アプリケーション毎に用意された「Action(アクション)」と称される個々の実行用オブジェクト(部品)を、ドラッグアンドドロップにて並べていくシンプル、且つ明瞭なインターフェイスを特徴としている。直線型の流れ図で記述されるトップダウン方式でのバッチ処理を基本としているが、「Mac OS X 10.5 Leopard」に伴われる形にて 米国時間2007年10月26日付にてリリースされたVer. 2.0より、新たに「Loop」アクションによるワークフローのループに対応した(イベント解析を伴う条件分岐には非対応)。

その他にも同版では、ワークフローに含まれる変数の初期値等を設定可能な「Automator Command-Line Utility」の実装(他言語を用いてワークフローを実行可能)等により、ワークフローにおける変数処理に対応した他、操作の記録と再生を可能とし、当アシスタントをサポートしていないアプリケーションの一部も制御可能とする「Watch Me Do」、「Custom(カスタム)」「Files & Folders(ファイルとフォルダ)」「Music & Audio(ミュージックとオーディオ)」「Photos & Images(写真とイメージ)」「Text(テキスト)」等、予め用意されたカテゴリから任意の開始点を選択可能な「Starting Points(開始点)」、「Action(アクション)」ビューにおいて、アクションの実行結果等を確認可能な「インラインアクションリソース」、iLifeアプリケーションの各種コンテンツデータに迅速にアクセス可能とする「iLife Media Browser」等の諸機能が追加され、柔軟性と汎用性が向上した。また、Mac OS X、及び各種アプリケーションの機能強化等に伴い、RSS、iSight、PDF、Finder等、種々のアクションの拡充も行われた。

入門用の簡易ワークフローの作成

ここからは シンプルな流れの簡易ワークフローの作成を通じて、Automatorの機能概要等を纏めていく事とする。実際には、アクションを提供しているアプリケーション間であれば、別のアプリを呼び出して(call)連携させるといったアルゴリズムを構築する事も可能ではあるが、ここでは入門用として 使用頻度と実用性に長ける「Finder」を対象としたワークフローの作成を順を追って纏めてみる。

自動化の内容は、「任意に選択されたファイルの「Info(情報)」ウインドウに、Spotlightコメントとして「Automator Test」を追加。さらにそのファイルにイエローのラベルを付ける」といったもの。

「Info」ウィンドウにおける「Spotlight Comments」は、ヒット数が多くなりがちなメタデータ検索の結果を、より正確に絞り込みたい場合等に効果を発揮し、特に「スマートフォルダ」を用いたファイル管理においては、目的のファイルやフォルダを 指定したスマートフォルダにピンポイントで収集する事ができる(かといって、毎回「Info」ウィンドウを開いてコメントを入力していたのでは、スマートフォルダのメリットも薄れてしまうというもの。そんなシチュエーションで使用するワークフローと考えて頂きたい。尚ラベルをつける事に特別な意味はないが、複数のタスクを単一のワークフローで完結できる事例として付け加えている)。

最初に基本画面の構成に関して。Automatorは、一つの独立したアプリケーションとして起動ボリュームの「/Apllications(アプリケーション)/」に属しているので、ダブルクリック等でこれを起動すると、以下のスクリーンショットに示す初期画面が現れる。

Automatorの初期画面
↑「Automator 1.0(Mac OS X 10.4 Tiger)」の基本インターフェイス(クリックで拡大表示)

初期画面(基本インターフェイス)は、大きく分けて4つのエリアに分割されており、各々の役割は以下の通りとなっている。

「1」Library(ライブラリ)

ワークフローによって動作させる、対象アプリケーションを選択するためのエリア

「2」Action(アクション)

「Library」で選択されたアプリケーションに向けて、有効な(使用可能な)アクションがリストされるエリア(「Library」で選択されたアプリケーション毎に、実行可能なアクションの内容も切り替わる)

「3」簡易ヘルプ

選択されたアクションの概要、使用方法等が簡潔に記述され、纏められているエリア

「4」作業エリア

アクションをドラッグアンドドロップにて並べてながら、ワークフローのルーティーンを構築するエリア

続いて、実際の作成手順を追っていく事とする。まずは「Library」>「Files & Folders(ファイルとフォルダ)」と選択し、表示されたアクションの中から「Get Selected Finder Items(Finder項目の選択を求める)」を作業エリアにドラッグする。

「Finder 項目の選択を求める」アクション
↑「Get Selected Finder Items」アクション(クリックで拡大表示)

今回のサンプルワークフローでは「Type(タイプ)」項目には「Files & Folders」を、「Start at(開始場所)」項目には「Desktop(デスクトップ)」を各々選択し、「Message(メッセージ)」項目は 初期値のまま「Finder項目を選択」にして進める事とする(「Start at」は、ファイル選択を求めるナビゲーションサービス(ダイアログ)が表示された時に、デフォルトで表示されるディレクトリを任意に選択する項目で、「DefultFolder」に類した意味合いを持つ。「Message」は、ナビゲーションサービスの上部に表示されるタイトルを指定するための項目となっている)。次の「Allow Multiple Selection(複数選択を可能にする)」のチェックボックスは、オンにする事によって 同一階層内で複数のファイルを同時に選択する事が可能となるため、特に今回のワークフローにおいては利便性の向上が期待できるので、チェックを入れておく。

続いて2番目のアクションとして、「Actions」エリアから「Set Spotlight Comments For Finder Items(Finder項目にSpotlightコメントを追加)」をドラッグアンドドロップにて、前のアクションに繋げるように配置する。

「Finder項目にSpotlightコメントを追加」アクション
↑「Set Spotlight Comments For Finder Items」を追加(クリックで拡大表示)

このアクションの上部に位置するコメント入力欄には、実際に入力するコメント(このワークフローでは「Spotlightコメント」の一文)を記述する。続く「Append to existing comments(既存のコメントに追加)」は、チェックが入っている場合には、既に別の「Spotlightコメント」が入力されているファイルやフォルダに対しては(そのコメントに続けて)指定された「Spotlightコメント」が追加で入力され、チェックが外れている場合には、既存のコメントを置き換える(上書き)形にて入力される事となる。

さらに、下部に位置する「Show this action when the workflow runs(実行時にアクションを表示)」項目にチェックを入れると、実行時にアクションの内容(今回のサンプルワークフローでは、「Spotlightコメント」の入力欄と「Append to existing comments」のチェックボックス)が表示され、アクション実行毎に内容を変更する事も可能となっている(チェックを外してフルオートで実行させた方 処理効率の向上が望めるが、Automatorのワークフローを通じて処理した内容は、取り消し(undo)を行う事ができないため、ワークフローの作成やテストの段階では、可能な限り「Show this action when the workflow runs」にチェックを入れ、確認しながら作業を行う方が良い)。

尚、ここで注意して見てみたいポイントが、アクションとアクションの繋目に相当する吹き出しのオブジェクト。上示のスクリーンショットでは、吹き出し部が繋がって表示されているので 問題なく実行する事が可能な場合の例となるが、前後のアクションに関連性が無かったり、後のアクションで要求しているリソース(ファイル、フォルダ等)が 前のアクションから渡されない場合等は、吹き出し部が表示されず、前後のアクションを繋ぐ事がでない。

繋ぐ事のできないアクション
↑結合する事ができないアクションの例。後のアクションが「iTunes項目」を要求しているのに対して、前のアクションが「iTunesの曲」を渡そうとしているため、アクションを繋ぐための吹き出しが表示されない(クリックで拡大表示)

最後に3番目のアクションとして、「Actions」エリアから「Label Finder Items(Finder項目にラベルを割り当てる)」をドラッグアンドドロップにて、前のアクションに繋げるように配置する。

ワークフローの流れ図
↑ラベルの色は任意で構わないが、ここでは便宜上 黄色を使用している(クリックで拡大表示)

ここまでで、今回の入門用のワークフローが完成したので、「File(ファイル)」>「Save(保存)」を実行し、作成したワークフローを保存する。保存場所は任意で構わないが、ファイル名は ここでは「sample.workflow」として、フォーマットは「workflow(ワークフロー)」を選択する(「workflow」を選択すると、「Automator」アプリケーションの書類として保存される事となる)。